2009年05月10日

甘い匂いの正体

「末吉公園のせせらぎのビオトープから池のビオトープに向かう途中に甘い匂いがするのは何ですか?」と尋ねられました。

そういえば、GWの水辺のプログラムで池に向かう途中、甘い匂いがするなと思いつつ先を急いで通り過ぎてました。

見に行くと匂いの正体はすぐに分かりました。

甘い匂いの正体
甘い匂いの正体
花っぽくないけど、クロツグというヤシの木の仲間の花です。

クロツグの花です。 5,6月頃に花を咲かせて甘い香りを漂わせます。 

クロツグは沖縄に自生するヤシの仲間です。沖縄にはいろんな種類のヤシがあるように思えますが、ほとんど外国産で在来のものは5種類だけのようです。中でも、クロツグ(方言名マニ)はビロウ(方言名クバ)と並んで身近なヤシで、工芸品に加工されたり、神木として拝所に植えられたりしています。

クロツグの甘い香りを嗅ぎながら、思い出したことがあります。数年前、久高島で神木のクロツグが数十本も刈り取られた事件です。島外から来た人達が、拝所の周辺をきれいにしようとして行ったようです。 

最近、末吉公園でも似たような事件が起こっています。このところ何者かによってツル植物が大規模に切られる事件です。行政がやっていると思っている人もいますが、そうではありません。 刈りとりの対象はすべてのツル植物です。そのため、森はすけすけの状態です。 

ついには、直径が15センチにもなっていた立派なハカマカズラも切られました。  

甘い匂いの正体
地面から垂直に立ち上がって、アカギの枝にぶら下がって、枝の間をうねる様は、大蛇のようで、観察会では人気のスポットでした。 
甘い匂いの正体
5月4日の観察会で切られているのに気が付きました。写真は7日のものです。

「ツルを生やすと木が弱る」そういう意見を時々聞きますが、むやみにツルを切ると森全体が弱ります。ツル植物は、林縁をマントのように覆って風の侵入を防ぎ、森を過度の乾燥から守る役割を果たしています。 

ツルを取除いて木を守りたいという善意から出た行動かもしれませんが、困ったものです。 行動する前には、少なくとも那覇市の公園管理室や花とみどり課に相談すべきです。

もし、森の中に入ってツルを切っている人を見かけたらこのブログからでもいいので情報を教えてください。



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Posted by はるさー at 12:25│Comments(1)末吉の森
この記事へのコメント
生け花用として、ツル系の植物が採られています。
けっこうなもうけになるそうです。
それではないでしょうか。
Posted by 山あっちゃー at 2012年06月25日 16:37
 
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